2022.09.24角食パン実験とバゲット練習

前回は山食パンの実験を行ったので、今回は角食の実験をする。

食パンを楽に作れるように中種法を採用しているが、フロアタイム(一次発酵)とホイロ(2次発酵)に長時間かかっている。
これはイーストの量が極端に少ないことが原因だろう。

過醗酵させた経験があるためイーストを増やすのが怖いのだ。
しかしできれば作業負担軽減のためにフロアタイムを短縮したい。

そこで今回は、イーストの量を増やさずにフロアタイムを短縮させる方法が無いか実験してみることにした。
上手くいったら嬉しいし、だめだったとしてもイーストの量を増やす決意ができる。

基本の角食

中種)
強力粉 90%
全粒粉 10%
インスタントドライイースト 0.3%
スキムミルク 4%
吸水 70%
バター 6%

本ごね)
砂糖 6%
塩 1.5%

パターン① 基本+中種発酵中にパンチ

中種は冷蔵庫で発酵させている。
普段は触らないのだが、今回はその最中にパンチを入れてみる。
長時間発酵の途中に新鮮な空気を入れることで酵母を元気づけられないだろうか。
また、パンチを入れることで生地表面と中央の発酵の進み具合が均一になり、より良い生地になるのではないだろうか。

パターン② 基本+モルト0.1%

バゲットなどで使用するモルトを食パンに使ってみる。
冷蔵発酵している中種には砂糖をいれていない。
つまり無糖生地のバゲットと同じような状態で、イーストの餌となる糖分が少ないのだ。
それならば中種にモルトを入れることで早い段階から発酵が進み、その後の生地も元気が続くのではないだろうか。
今回の実験の中ではこのパターンが本命である。


パターン③インスタントドライイースト0.4%

イーストの量を0.1%増やす。
あまり変わらないかもしれないが、基本のレシピの約1.3倍の量だ。
あとはいつも通りに作ってみる。

結果
パターン① 基本+中種発酵中にパンチ
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0.3% パンチあり
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0.3% パンチあり

配合はいつも通りでパンチを追加しただけの生地。
あまり変わらないかもしれないと思っていたが、今回の3種類の中でホイロ時の伸びが一番早かった。
食べてみるとスダチが細かくふんわりした感じがした。
ただこれは成形時の力加減のせいかもしれない。
パンチの効果かどうかは分からない。
作業時間はやや短縮されたが、大幅に変わることは無かった。
それでも生地の力がいつもより強くなったと思う。
今後も冷蔵発酵中のパンチを工程に取り入れることも検討しよう。

パターン② 基本+モルト0.1%画像

イースト0.3% モルトあり
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イースト0.3% モルトあり

他の生地よりも明らかに柔らい中種だった。
加えている水の量は同じなのに見た目も触り心地も全然違う。
0.1%のモルトパウダーでこんなにも変わるものなのかと驚いた。
本ごね時には強いミキシングにも耐えられるような伸びのある生地となった。
期待が高まる。

ホイロの伸び方は3種類の中で一番遅かった。
少しふくらみが弱い状態でオーブンに入れたが、しっかり窯伸びしてくれたため外観は問題なく仕上がった。

焼き上がりの色は他の2種類よりも濃く、食べてみると甘みがある。
強い甘みではないのに、なぜか少しくどい感じだ。
思ったより味に影響が出る。
食パンの素直な美味しさを少し邪魔してしまう甘みだ。
期待していた方法だが、発酵が早まるわけでもなく味にもマイナスの影響があるため、モルトは入れないほうがいいかもしれない。


③インスタントドライイースト0.4%画像
イースト0.4%
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イースト0.4%
③インスタントドライイースト0.4%

フロア、ホイロはほとんどイースト0.3%のときと変わらず。
わずかに早いかな?くらい。
0.1%変えてたところで誤差の範囲というところだろう。
味はいつも通り。
やはりこれを食べるとモルトは入れないほうがいいな、と改めて思ってしまう。

角食の実験と同時にバゲットの練習も行った。

バゲット

 

粉(リスドオル) 100%
モルトパウダー 0.1%
吸水 70%
インスタントドライイースト 0.17%
塩 1.7%

できあがりがこちら。

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バゲット

なんとも不格好になってしまった。
これは発酵不足だろうか。

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成形は悪くないと思う。
下手なりにではあるが、均一に棒状にできている。

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クープが開いていない。
生地が緩んでいない状態でオーブンに入れてしまったため、生地の力を発揮させてあげることができなかった。
反省だ。

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内相の様子。
つまり気味だ。
冷蔵庫から出した後の復温が足りていないのかもしれない。

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端の様子。
なんとなく時間が無かった感がある。
もっとゆったりと作ってあげたい。
食パンと同時作成したために、気持ちに焦りがあったのだと思う。

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こちらもなんだか不格好だ。
慌てている心がパンに反映されてしまった。

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集合写真!
力不足は重々承知しているけれど、やはり自分で作ったパンは可愛い。
食パンは、モルトは入れずにパンチを追加すると良いかもしれない。
狙いであったホイロ時間の短縮は叶わなかったので、作り方は今後もいろいろ実験したい。
バゲット作りに不足しているのは練習回数だろう。

どんどん作っていきたい!